第34章 ナンパの日(カラ一)
「……オレの弟に何してる。」
「カラ松っ!」
「……あ゛?」
男がカラ松を睨む。
それに応えるようにカラ松も睨み返した。
「っ!」
その目に怯えたらしい男はすいません、と言いかけたがそういうわけにもいかなかった。
「痛っ!?」
カラ松が掴んだ、男の腕に思いっきり今日力をかけている。
男の骨がミシミシ言っているような気がして耳を塞ぎたくなった。
「オレの弟に手を出そうとしてタダでいられると思ってるのか?」
やばい。キレてる。
目の奥に光がない。
普段温厚であまり怒らないから怒った時は本当に怖い。
実際、人を殺しそうな目をしてるし。
おれは慌ててカラ松の腕にしがみついた。
「カラ松!駄目っ!おれ何もされてないから!」
「……本当か?大丈夫か?」
「大丈夫!!」
カラ松がおれから目を逸らし、男の目を見据える。
すると男が一松の言葉に同意を表すかのようにこくこくと首を上下に振った。
するとカラ松がはぁ、とため息をついて男の腕を掴んでいた手を離した。
「……一松に謝れ。」
「……すいませんでした。」
「……よし。」
そう言うと男は走ってどこかへ行った。
「……カラ松?」
「あ、ああ。行こうか。……うおっ!?」
「きゃっ!?」