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色松恋物語

第34章 ナンパの日(カラ一)


前に向き直ったカラ松と女の人がぶつかる。
ふわふわした感じの可愛らしい女の人だ。

「すまない、大丈夫か?レディ!」

カラ松がさりげなく女の人に手を差し出す。

「大丈夫です……こちらこそすいません!きちんと周りを見ていなくて……」

「立てるか?」

「はい。大丈夫です。ーー」

女の人は立ち上がるとカラ松の手を握った。

「ーこのあとって暇ですか?」

「え?」

「お詫びにお茶でも……」

そう言ってにこりとカラ松に微笑みかける。
それを見て顔を赤くしているカラ松に心がずきりと傷んだ。
気づいたら叫んでいた。

「クソ松!!行くぞ!!」

「あ、あぁ!済まない。今日は生憎用事があってな……」

「あ……はい。すいません。お時間……取らせてしまって。」

「またな。」

そう言ってカラ松がおれのあとを追いかけてくる。

「一松?なんか怒ってるか?」

そんなことを聞くカラ松におれは舌打ちをした。

「……浮気じゃん。」

「な!?浮気なんかしてないぞ!?」

「……顔赤くしてた。」

「そりゃ……拗ねてる一松見たら……なぁ。」

拗ねてるおれ?じゃあおれ見て顔赤くしてたの?
なにそれ……。

「オレは拗ねてる可愛い一松を見て赤くなったんだ。」

ストレートに告げるカラ松。
いつものイタい言葉がないからおれの心に深く刺さってくる。

「……るさい。早く行こ。」

そう言って再びカラ松に背を向けて歩き出す。
するとカラ松が何かを察したかのように、アーハーン?と言ってからさりげなくオレの横に並んで歩き出した。
おれに合わせて歩幅を調整してくれているのがわかり、愛しい、という気持ちが募るのを感じた。
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