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色松恋物語

第2章 薬


薬の裏側を見ると使用方法が書いてあった。
・一回二錠
・一回で三時間
・一日二回まで
・水なし服用可

「ふーん。」

水なし……じゃあ今飲めるね。
二粒飲んだ。

「苦っ……」

おれはもともと薬が得意じゃない。むしろ苦手な方だ。

「……ほんとに効くのかな。」

「ここにいたのか。」

後ろから声が聞こえてきてバッと振り返る。
するとカラ松の姿があった。

「なんでいんの。」

「あぁ、また泣いているんじゃないかと思ってな。」

「泣いてないし……なんでおれなんかのこと心配すんの。」

「ん?兄ならば弟のことを心配するのは当然だろう?」

その言葉を聞いた時、頭に激痛が走った。

『弟扱いされたくない』

誰かがおれの頭に訴えてる。

『おれはお前が好きなのに。』

やめてよ。そんなこと思ってない。

『認めたくないだけでしょ?』

違う。

『それって逃げてるだけじゃん?アイツからも、自分からも』

「やめろって言ってんだろ!」

「……どうした?」

ヤバっ声に出てた……
逃げよ。

「別に、ショックなんか受けてないから。帰れ。」

「一松は……?」

「散歩してから帰る。」

そう言うとほっとした顔をして飴を差し出してきた。

「分かった。遅くならないうちに帰ってこいよ!」

おれはその飴を受け取って

「うん。」

とだけ言った。
カラ松が去っていったのを確認してから路地に座り込む。

「自分の気持ちにってこういうことかよ……」

好き、か。
好きか嫌いかで言ったら嫌いじゃない。
けど、好きなのか分からない。

『いい加減に認めなよ。』

認めない。
認めた所で嫌われて引かれるだけ。

てか好きじゃないし。
それにお前誰。

『ぼくはお前だよ。』
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