• テキストサイズ

【血界戦線】番頭さんに珈琲を

第3章 開き直られました


 ざざざっと逃げようとしたが、ガバッと背中から覆い被さられた。

「離して下さい、性犯罪者」
「大丈夫。合意なら犯罪じゃない」

 何爽やかに言ってんだ、この人!!

 ずりずりと逃げようとしたが、体重を微妙にかけられ身体が進まない。
「悩んでいるんだ。急がなければ、全ての不浄を流し去る朝が来る」
「ついでにあなたも流されてくれませんかね?……あぐっ」
 口の中に指を突っ込むな! かむぞ!!

「ん……んぐ……」
 スティーブンさんはしれっと続けた。
「だが君は僕を信頼してくれている。
 間を置かず連日ヤるなんてコトをして、君に負担はかけたくない」
 口の中でぐりぐり、指を動かすなっ!! ツッコミが入れられないでしょうが!
 ヤバい。この犯罪者、超ガツガツしてる!!

「だが同時に、慣れない段階だからこそ、二人の絆をより強めたいという思いもある」

 何で大人というのは素直に『ヤリたいからヤリたい』と言えないのか。

 で、やっと敵は口から手を出してくれた。
 けど、今度は私の身体の下に無理やり手を差し入れる。
「ちょ……! ど、どこ弄ってんですか!!」
 ベッドにすがりついて、敵の動きをどうにか緩めようとしたけど。
「!!」
 パジャマのズボンのゴムのウェストを下着ごと持ち上げられる。
 お尻に空気が入り、一瞬寒くなる。
「いだ!」
 鬼畜が。パチンと手を離した! 

「……どうしよう、ハルカ?」
 私に身体をすりつけながら、耳元でささやいてくる。

「健全に仲良く寝たいです!」 
 親指を立てながら笑顔で言ったら、

「よし分かった、健全に仲良く、正しいセックスをしよう。それで一回やったら寝よう」
「私に質問した意味、あるの!?」
 ヤバい、ホントにヤラれるっ!!

「スティーブンさん、明日お仕事なんだから本当に――」
 叱ろうとしたんだけど、
「ハルカ。君も脱いで脱いで。あまり時間がないんだから」

「え。あ、はい。わかりま――」
 つい急ぎかけ、ハッとした。

「寝るったら寝ます!」
 ヤケになって恋人のごとく枕を抱きしめたが、深いため息が聞こえた。

「仕方ないな。じゃ、寝てていいから」
「お?」
 譲ってくれた感じ?

 だが奴は、私を仰向けにして、ぐいっと足を開かせた。

「こっちはこっちで勝手にやるから」

 ……このクソ家主が。

/ 333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp