第4章 未来に繋ぐ炎
「まぁた負けた!ホント弱いよなお前!このクズ!」
暴言と共に僕に振り下ろされる平手打ち。
最初の頃の罰はご飯抜きと暴言だったのが、最近は暴力も振るわれるようになった。
ポケモンセンターに連れてってもらえず、ご飯ももらえず。
こんな状態でバトルなんて出来っこない。
そしてまた負ける。
最悪の悪循環だった。
「何で勝てねぇんだよお前は!」
罵声と共に、今度は足が飛んできた。
こんなことなら、まだ前のマスターのほうがマシだった。
でも、悪いのは僕だから。
もっと、もっと頑張らなくちゃ。
そう思っていたけど、やっぱり運命は残酷だった。
その日の相手は初めてバトルした時と同じポケモン――イトマル――が相手だった。
でもやっぱり、毒状態にされて何も出来ずに負けた。
「ホントお前はドンくせぇな、このノロマ!」
また足で蹴り飛ばされた。
今日は今まで以上に苛立っているらしいマスターの罵声と暴力はいつも以上にひどかった。
殴られ蹴られ、意識が朦朧とする中ぼんやりと聞こえてきたマスターの声。
「弱いポケモンなんざ要らねぇ」
「お前みてぇな弱い奴、死んだって構わねぇよ」
バリンという音と共に、僕のモンスターボールが壊れた。
マスターは最後に思いっきり僕を蹴り飛ばすと、そのまま僕に見向きもせずにどこかへ行ってしまった。
お腹すいた。
身体中が痛い。
何で、捨てるの?
僕が、悪いの?
置いてかないで、マスター...