第1章 再会ってはやくない!?
晴れ渡る空。
サンサンと照りつける太陽。
夏まっさかり。
夏といえば……そう、夏休み!
「テスト終わった~!」
ぐっと青空に向かって手をのばしてみる。
暑い。
暑いけどなんか気持ちいい。
しばらく学生の本分である勉強に集中していた私。
単位は落とすとやっかいなことになるので、けっこう頑張った。
だから結果は悪くはないと思う。
あとは出せば追加点がもらえるレポートが一つ残っているけど、それもほとんど終わっているし。
成績が出るまでの間、休みを謳歌するしかないよね!
スマホで確認すると、あと二、三日で八月。
なんか今月あっという間だったなぁ。
気づけば花宮が現れた日から三週間も経っていた。
現在の時刻はお昼の三時。
どうしようかな……カフェとか寄っちゃう?
少し悩んで、まっすぐ帰ることにした。
今の気分のまま残りのレポートも終わらせようと思ったのだ。
マンションまで帰ってきてエントランスホールの郵便ポストを確認すると、一枚の案内用紙が入っていた。
「備蓄倉庫の改修工事、お知らせ……?」
備蓄倉庫って……うちのマンションそんなのあったっけ?
あんまり意識して見たことはなかったけど、倉庫の一つくらいはあるかもしれない。
防災倉庫ってやつ?
「ふーん……改修工事ねぇ……」
特に気に留めることもなく、私は自室へ足を向けた。