第10章 体育祭の時間。
が、先程の傷が痛み、上手く走れない。
その様子を学秀が見つめる。
まぁ?走り方がいつもと違う。
足を庇うような…何かあったのか…?
そのままわずかにC組女子にリードされたまままぁが僕にバトンを渡す。
そのバトンを受け取り、僕は走る。
すぐさま一位を走るC組を追い抜き、独走態勢に入る。
一位でゴールすると、まぁが4番手の選手の所で拍手をしていた。
そのまま観客席に戻るがまぁの姿が見当たらない。
学秀『蓮、まだまぁは戻ってきていないのか?』
榊原『あ、なんかまぁちゃん保健室の方に行ってたけど。足を痛めたのかもしれない。』
僕はそれを聞き、すぐさま校舎に向かって歩いていく。
誰もいない校舎から声が聞こえる。
『だから別れろって言ってるのが分かんないの?』
『ほんとうざいの!浅野君はあんたが転校してくる前から私たちが狙ってたんだから!
どうせ身体で誘ったんでしょ?無意味に胸でかいしね!』
ガンッ!ドスッ…。
僕が校舎の影から聞こえる声に近づくと、5人の女子に壁に押し付けられ、右足から血が出ているまぁがいた。
学秀『お前たち…何をしている?!』