第10章 体育祭の時間。
女生徒A『あっ浅野君…。』
女生徒B『いや、なんか桃宮さんが怪我したらしくて保健室に連れてく最中で…。ね?』
女生徒C『そうそう!』
学秀『そうは見えないが…。僕の彼女にこんな真似をして許されると思っているのか?』
女生徒D『浅野君もさ、何でこんなやつと付き合ってるの?家柄だって私達の方が上だし、容姿だって頑張ってるしさ、ちょっと可愛いくらいのこんな子より、私達の方が浅野君と釣り合って…。』
ガンッ…。
学秀が壁を殴る。
学秀『僕は彼女を愛している。お前たちなど興味はない…。分かったらさっさとその手を離せ…。
さもないと女子だろうが手加減はしない…。』
女生徒B『うっ…。』
女生徒たちが去っていく。
私に近づく学秀。
学秀『まぁ…。何故何も言わない…。』
『だって…あの子たち、中一から学秀のこと好きだったって。
それを途中転校してきた私が横取りしたんだもん。』
学秀『そんなこと、関係ない!ましてや僕が好きなのはまぁだ!あいつらではない!』
『…。私と一緒なんだよ。学秀のこと、好きで好きでたまらないんだよ。
だから…許してあげて。』
まぁはそう言って僕の事を見つめる。
学秀『………。まったく…。何故そんなにも可愛い事を言う…。僕をどれだけ惚れさせれば気が済むんだ。
さぁ、足の怪我を見せろ。リレーの時、走り方がおかしいと思ったらこれか…。』
私の右足を見て切なそうな目で言う学秀。
『抱っこして…。』
学秀『言われなくても僕がそうしたい。だが、今度からきちんと僕に話をしてくれ。約束だ。』
『分かった…。ごめんね。心配かけて。』
私達の体育祭はこうして幕を閉じた。