第3章 最悪な再会
4月。久々の日本で桜を見ながら私は一人立っていた。
『………綺麗だな。』
ずっとイギリスにいた為か、懐かしく感じる。
これから何事もなければいいのだけど……。
すると目の前に一台の黒い車が止まり、中からスーツを着た男性が降りてきた。
男『ひな様。お久しぶりでございます。お迎えに上がりました。』
『……あぁ。』
男性にそう告げられひなは短く答えると、車に乗りこみ走り去った。
車内では無言が続いたが、男が静寂を破った。
男『お元気そうでなによりです。旦那様もお喜びになるでしょう。』
『……………』
男はそう言ったがひなは何も答えなかった。
しばらくすると大きな屋敷に着き、降ろされた。
男『旦那様は書斎におります。報告を、と言っておりました。』
『あぁ、わかった。』
玄関を開け、目の前の大きな階段を登り自分の父がいる書斎の前まで行く。
コンコンッ
ドアをノックすると返事を待った。
父『……入れ。』
『失礼します。ただいま戻りました。』
父『向こうでちゃんと学んできたか?』
『はい。言われたこと全てやってきました。』
父『ならいい。お前は次期当主だからな。お前ももう17だ。これからは関係者パーティーにも首席してもらう。家の名に恥じぬよう努めろ。下がっていい。』
『…………はい。失礼します。』