第3章 最悪な再会
柳『どうした、精市。体調が悪いのか?』
俺がその場にボーっと立ち尽くしていると、通りがかった柳に声を掛けられた。
幸『あぁ…なんでもないよ。すまない。』
柳にひなの事を言おうか迷ったが、確信をもってひなだと分かるまで言わないようにした。ぬか喜びしても辛いだけだ。
その後放課後になり、部活で一年の練習を見ていた時だった。校舎の方からそそくさと周りを気にして出てきた転校生――ひなが見えた。
視界にひなを確認した瞬間、幸『ひな…?ひなっ!!』と駆け出していた。あの子は絶対にひなだ!と身体が先に反応した。
さらに確認するかのように、ひなの名前を呼ぶと『そうだよ。久しぶりだね。幸村。』と返し、その時俺は、あの頃のような日常がやっと返ってきた。と歓喜した。