第17章 *慰め方法*〜小堀浩志〜
「ところで黄瀬君、これどんな映画なの?
「そういえば聞いてなかったな。」
「それは…お楽しみっスよ♪」
黄瀬が、(なぜかウィンクしながら)俺達に向かってそう言うと、
「ねえ、あそこにいるのって…」
「だよね…」
周りのお客さんが、コソコソ話し出した。
「そこの君、俺と君が出会えたのは運命だ!この後食事でも「あ、結構です」
だけど、そんな事も気にせず森山が女子に声をかけてくれたおかげで、今回は騒ぎにならなくて済んだようだ。
「おい!もう少しで始まるから静かにしろお前ら!」
笠松がそう言った時ちょうどに、部屋が暗くなった。
テレビの何倍も大きい画面に、題名が映される。
画面には、血文字のような文字で『閉じ込められた生贄達』という、いかにもホラー映画な題名が映されていた。
「っ…」
ちらっと隣の香奈を見ると、顔を青くしてガタガタと震えていた。
…マズい。
香奈は、ホラーが苦手なんだ。
だけど、そう思った時にはもう遅く、結局最後まで俺達はホラー映画を見た。