第98章 *40度の熱*〜黄瀬涼太〜
黄「…だから、ご褒美ほしいッス。」
香奈「へ?私、何も用意してな…んっ」
香奈っちの頬を両手で優しく支えて、俺はその唇にキスした。
香奈「だ、ダメだよ涼太君…風邪移っちゃう…」
黄「大丈夫ッスよ、明日は部活ないから。明後日はあるッスけど…すぐ治るッスよ。」
喘息体質の香奈っちよりは、治るのは早いと思う。
治らなかったら…うーん、どうしよう。
香奈「治らなかった時の事も考えてよ…」
黄「うっ…」
そう言われ、本気で悩む。
休むしかなくなるッスよね…
香奈「…でも、治す事が出来ないわけでもない…と、思う…」
黄「?」
香奈っちの声がだんだん小さくなる。
俯いちゃって、どうしたのかと不安になった時。
香奈「も…もし、治りそうになかったら…わ、私に移していいから…っ////」
俯いてても分かるほど、耳まで真っ赤になる香奈っち。
黄「香奈っち、大好きッスー!」
香奈「わ、ちょっ…」
黄「ね、もう一回ちゅーしないッスか?」
香奈「し、心配して損した!////」
そう言って香奈っちはちょっと怒っちゃったけど、でも、それが可笑しくて、二人で笑い合った。
*40度の熱*
その顔が赤いのは、
俺も君も、
熱だけのせいじゃないよね。