第98章 *40度の熱*〜黄瀬涼太〜
黄瀬side
今日の練習試合も、俺達の勝ちだった。
香奈っち、どんな反応してくれるかな?
それが楽しみで、早く会いたくて仕方なかった。
…でも、俺がいない間に、香奈っちが苦しい思いしてたらどうしよう。
楽しみで、でも心配で、俺の足は自然に早歩きになっていた。
インターホンに香奈っちは出なくて、不安になって家に入る。
黄「お邪魔します…」
階段を上がって、香奈っちの部屋に入ると、香奈っちはベッドの上にいた。
黄「香奈っち、今日の試合…って、寝てたんスか。」
香奈「すぅ…すぅ…」
少し半開きの口から、寝息が聞こえる。
でも、苦しそうな表情じゃなくて、心地よさそうに寝てたから安心した。
黄「…ありがとう。」
きっと、俺がこうして部活を頑張れるのも、香奈っちが応援してくれるからだ。
バスケが好きなのももちろんあるけど、香奈っちはいつでも俺の事を支えてくれる。
起きないように、額に優しくキスして、俺は香奈っちが起きるまで待つ事にした。