第97章 *君知識*〜笠松幸男〜
『カラン』
店員「いらっしゃいませー」
香奈「カフェですか…。お洒落なところですね、初めて来ます。取り敢えずは、ここで自己紹介などをしようというわけですね。」
いや、そんなつもりは全然ないんだが…。
趣味もよく行く店も、それどころか名前も知らない相手の行きたいところなんて見当がつかないから、ここに入っただけで。
つか、まず俺の課題は、面と向かって話せるようになる事だよな…。
二人掛けの席に向かい合って座る。
…無理だ、直視すらできねー。
香奈「んと、私これ頼みます。笠松君は、何にしますか?」
笠「じ、じゃあ、これで…」
香奈「はい。」
店員が女性ばかりな事に気を遣ってくれたのか、生徒会長は俺の分まで注文してくれた。
香奈「…じゃあ、私から紹介しますね。私は遠野 香奈、ご存知かもしれませんが、委員会は生徒会、部活は美術部です。よろしくお願いします。」
すっげー丁寧に自己紹介を済ませる生徒会長。
…名前、遠野っていうのか。
香奈「笠松君の事は大体知ってますよ。部活はバスケ部ですよね。委員会は分かりませんが、成績もかなりいいと聞いています。リーダーシップもあるので、委員長も向いてる気がしますが、委員長ではないんですね。会議に出ていなかったので。」
かなり知られてるみたいだし、サラッと褒められた。
それが何故だか、遠野だと尚更嬉しかった。