第97章 *君知識*〜笠松幸男〜
笠「あっ…ああア、アノ…えと…」
香奈「…?何か御用ですか…って、奇遇ですね。笠松君でしょう?」
…え?
何で俺の名前知ってんだ…?
香奈「それで、どうしたんですか?笠松君。もしかして、ナンパですか?女性が苦手と聞きましたが、興味はあるんですね。」
笠「!?!?////」
興味があるっつーか、森山に無理矢理させられてるだけだが、ナンパというのは図星。
なんか…何でも知ってそうだな、こいつ。
香奈「じゃあ行きましょうか。」
笠「え」
香奈「え?行かないんですか?」
笠「…え?」
何でこいつはこんな平然としてんだ…?
冷たいっていうのは噂でしかないんじゃねーの?
…いや、重要なのはそこじゃねー。
俺の事を知ってるのは噂で聞いたからだとして、どこに行く気だ…?
香奈「だから、ナンパでしょう?それなら、私を楽しませてくださいよ。ちょうど暇だったんです。友達と待ち合わせしてたんですが、その友達が熱出しちゃったみたいで。」
笠「あ…ああ…?」
つまりは、ナンパ成功…?
ま、マジで…?
笠「っ…え、と////」
香奈「苦手なんでしょう?無理しなくていいです。ついて行きますから、言葉で言わなくても大丈夫ですよ。」
冷たいどころか優しいその態度に、余計戸惑う。
どこか行く場所…近くに…
そこである建物が目に入り、俺はそこに向かって歩いて行った。