第73章 *チョコ、告白、キス*〜笠松幸男〜 request*
笠松side
敬語が混じったけど、俺…人生で初めて、告白をした。
確かに香奈は女子だと意識してたし、だからこそ緊張して上手く話せなかったけど、まさか好きになるなんて思ってもみなかった。
ただ…最近、香奈を見るだけで顔が熱くなるし、時々可愛いとさえ思ってしまう。
俺自身、気付いたのは昨日だった。
顔が赤いと言われた時、あまりの至近距離に心臓がうるさくて、だけど嫌じゃなかった。
その時、俺は香奈が好きだと気付いた。
その時と変わらず、やっぱり今でも緊張しながらも、俺は香奈の事をやっと直視できた。
「あ…えと…その、わ、私も好き…っ」
その瞬間、香奈の言った言葉が、俺は信じられなかった。
香奈も好き?
俺を…?
あり得ないと思ったけど、香奈が真っ赤になって俯くのを見て、本気だと分かった。
「いいのか…?」
「いいよ…むしろ、笠松君だから、彼氏になってほしいの。」
いつもの笑顔で楽しげな顔も、今の涙目になるほど赤く染まった顔も可愛かった。