第49章 *『好き』を込めて*〜宮地清志〜 春様リクエスト
「そんな妬くくらい好きなら、もっと全力でアピールしたらいいのに。もう彼女なんだから引かれることもないっすよ?ね、真ちゃん。」
さらっとアドバイスを送る高尾は、近くにいた緑間にいきなり話しかける。
「高尾、いきなり俺に話しかけるな。」
「まぁまぁ、いいじゃん。不器用な先輩に恋のアドバイス♪って、真ちゃんも不器用か(笑)」
「黙れ高尾。」
が、俺にはそんな話は聞こえていなかった。
全力でアピール…って、どうやって…
と、俺が考え込んでるうちに、休憩終了の声が、体育館に鳴り響いた。
また後で考えようと、立ち上がって香奈を見ると、ニコニコ笑って手を振ってくれる。
俺はそれに小さく返した。
…それから、しばらく経った。
今、体育館には俺と香奈の二人しかいない。
「…んぅ…」
「!?////」
シュート練習をしていた俺だが、突然の香奈の寝言に、外してしまった。
「清志…く…」
いいい、今俺の名前呼んだ!?////
普段なら宮地君なのに!?////
「やべー…」
可愛過ぎんだろ…
そんなんだから不安になんだよ。
「不安にさせんな、馬鹿…締めるぞ////」
『チュッ』
言葉と行動が伴わず、俺は香奈の頬にキスした。
柔らかい頬が唇に当たる。
その頬を俺は両手で優しく包んだ。
『コツッ』
額と額が重なる。
「香奈…」
距離を少しずつ縮め、もう少しというところで目を閉じた時。