第49章 *『好き』を込めて*〜宮地清志〜 春様リクエスト
宮地side
『好き』
誰にだってそう言う香奈は、俺の彼女。
性格は、一言で言えば天然だ。
いつもニコニコして、すぐ人に顔近づけて、簡単に好きと言う。
それは、男子バスケ部の部員も例外じゃなかった。
「遠野」
「はい、タオルとドリンク!お疲れ様っ!」
「ああ。遠野は話が早くて助かるのだよ。」
「あたしも真ちゃん好きー!」
俺だけに見せてると思ってた笑顔だって、緑間にも高尾にも見せてる。
「香奈ちゃーん、俺にもー」
「はーい!」
「マジ香奈ちゃん見てると癒されるわー」
そんな、常に笑顔で優しくて、女子らしいけど色々と無自覚な言動の香奈に対して…
「テメー誰の彼女見て癒されてんだよ。いっぺん轢いて刺して撃つぞ」
「宮地先輩、それいっぺんじゃないっ!」
ニコーっと笑みを浮かべて暴言を連発するような、他人から見たら怖いであろう俺。
一応彼氏彼女なんだが…
俺の彼女が、あんなに女子力が高い女子でいいのだろうかと、時々不安になる。