第29章 *ラッキーアイテム*〜緑間真太郎〜
香奈「どうすれば…」
…あ。
ヤバい、それ名案かも…
香奈「善は急げ!」
いい事を思いついたあたしは、水入りのコップを持って、真ちゃんの部屋へと駆けて行った。
緑「…で、その名案とはなんなのだよ。」
しばらくして、水を飲んで一時的に落ち着いた真ちゃんが、少し安心したような声であたしに聞いた。
香奈「あのね、あたしが猫になっちゃえばいいんだよ!」
緑「…どういう意味なのだよ?」
全く意味が分からない、という顔であたしを見る真ちゃん。
あたしは、そんな真ちゃんの前で、家から持ってきたバッグの中から、あるものを出した。
香奈「ジャジャーン!
真ちゃんに着ける予定だった、猫耳カチューシャだー!」
あたしがカチューシャを真ちゃんに見せつけると、真ちゃんはよく分からないと言いたげな顔をした。
香奈「これを付けて、あたしが猫の真似をすればいいんじゃない?」
緑「…やってみる価値はあるのだよ。(俺が着けるハメにならなくてよかったのだよ…)」
早速、あたしはカチューシャを付けて、立ち膝で真ちゃんを見上げるような体制になった。
香奈「えと…みゃあ?」
こてんと首を傾げると、真っ赤になって硬直する真ちゃん。
その顔は、なんかすごく可愛かった。
緑「つ、続けるのだよ////」
真ちゃんにそう言われ、みゃーとかにゃんとか繰り返して、あたしは真ちゃんのお腹に抱きついた。
緑「お、おい////」
香奈「にゃあ…」
抱きついてるだけで心地よくて、スリスリと頬を擦り付けてしまう。
ああ…寝ちゃいそ…