第29章 *ラッキーアイテム*〜緑間真太郎〜
香奈side
『ピンポーン』
午後一時、あたしは彼氏の家のインターホンを鳴らした。
というのも、今日はその、彼氏の真ちゃんとのお家デート当日だからだ。
『ガチャ』
ドアが開いて、中からはいつも通りクールな…
緑「…香奈、俺は今日お前とはいれないのだよ」
…訂正。
普段の冷静さを無くした真ちゃんが出てきた。
香奈「真ちゃん!?どしたのその顔!?」
一緒にいれないとかの前に、あたしは真ちゃんの事が心配になった。
顔は真っ赤。
呼吸も荒い。
もしかして、熱…?
緑「…ラッキーアイテム…」
香奈「へ?」
緑「猫なのだよ…」
全ては、この言葉から始まった。
香奈「とりあえず、中に入ろ!あたしが看病するから!」
緑「な、なぜ熱だと分かったのだよ?それに、今日はお前とは…」
香奈「熱なのは見れば分かるし!熱出した彼氏放って置けないの!いいから真ちゃんは寝てて!」
あたし達は、とりあえず真ちゃんの家に入った。
真ちゃんの家に来るのはこれで三度目。
部屋の場所もほとんど知ってるから、あたしは、真ちゃんの部屋まで真ちゃんを引っ張って行った。
香奈「…39度…」
緑「すまな…げほっげほっ!」
香奈「今水持ってくる!」
台所まで行って、水をコップに注ぐ。
真ちゃんは、すごく苦しそうだった。
多分、真ちゃんを助ける方法は、ラッキーアイテムを見つけるしかないと思う。
でも、猫なんて見たら真ちゃんもっと熱悪化させそうだし、第一猫なんて近くにいないし…