第29章 *ラッキーアイテム*〜緑間真太郎〜
香奈「きゃっ!」
『ドンッ』
うとうとしかけてると、真ちゃんがあたしの手首と背中をグッと引っ張った。
あたしの目の前では、さっきまでベッドに座ってた真ちゃんが、ベッドに寝っ転がっていた。
…つまり、あたしが上に乗っかってる。
香奈「し、真ちゃん!?////」
緑「…もう猫の真似はしないのか?」
む、無理だってこんな状況!
これじゃまるで、あ、あたしが押し倒したみたいで…////
香奈「あ、あの…。
あたし、そろそろ帰らなきゃ…」
緑「ラッキーアイテムは、その日一日傍に置いておかなければ効果が無いのだよ。」
そう言って、スルリとあたしの首に手を回す真ちゃん。
香奈「…近い、よ////」
緑「お前は俺の彼女だろう。近くても問題は無いはずだ。」
そんな事を言いながら、さらに距離を縮めた。
もう、キス寸前。
香奈「真ちゃんっ…////」
緑「もう一度、猫の真似をするのだよ」
キスしそうな距離で、心臓が破裂しちゃいそうな程動くのが早い。
香奈「みゃ、あ…////」
何とか声を出して真ちゃんを見ると、真ちゃんはあたしの大好きな笑顔をしていた。
緑「今日は俺といろ。…いいな?」
香奈「は、はいっ…////」
次の瞬間、ベッドについていたあたしの両手の力が抜けて、二人の唇が重なった。
*ラッキーアイテム*
その日以来、
ラッキーアイテムが猫の日は、
彼はいつもキスをするようになった。