第4章 *目覚まし feat.緑間
「香奈、いい加減にしろ」
言いながら布団を引き剥がすと、その中で丸まっていた香奈が視界に入った。
「……っ!」
顔が熱くなる。
…何故俺は照れてるのだよ。
ただ寝顔を見ただけなのに、心臓の動きが不規則になって、無駄に触りたいと思う。
思わず伸ばした指先が、香奈の頬に触れた時。
「しんちゃ…まだねてたいよぉ…」
ガタンッゴンッ!
寝言に驚き、机や椅子に体をぶつけた。
「〜〜〜っ!はぁ…」
くっ…ラッキーアイテムで補正してるとはいえ、今日は最下位だったからな…。
歯を食いしばって痛みに耐えていると、ベッドからまた声が聞こえてきた。
「ふあ〜…。真ちゃん…?」
物音で起きたのか、あくびをして目を開ける香奈。
やっとか…。
これなら目覚まし時計で起きたほうが、と思うのだが、今までの目覚まし時計は全て床に叩きつけられて壊れたらしい。
…つまり買うだけ無駄だ。
このままだと一生俺が起こさなければいけないのでは、と思うと急に将来が不安になって、深いため息をついた。
「遅いのだよ。早く着替えて朝飯を食え。俺は下で待ってるのだよ」
そう言って部屋を出ようと、ドアノブを掴んだ時。
「もっかい寝る…」
…は?