第3章 世界一可愛い*白石
花火開始時間まであと少し。
俺たちは花火がよく見えるであろう高台に来ていた。
幼い頃俺がよく遊んでいた秘密の場所。
○○「白石くんよくこんな場所知ってるね!」
彼女は興味津々だ。
白石「俺が小さい頃よくこの高台で遊んでてなぁ。懐かしいわぁ。」
ここに来るのはもう8年ぶりくらいだろうか。
当時と変わらずとても静かでええ所や。
俺たちはその高台に一つだけ置いてあるベンチに腰掛けた。
○○は落ち着かない様子でもじもじしている。
きっと花火が待ちきれないんやなぁ。
白石「ほら、もっと近くおいでや」
俺は○○の腰を持って自分の方へ寄せる。
白石「なんや、花火待ちきれないんか?」
○○「う、うん…ごめんなさい、花火に興奮するなんて子供だよね」
そう言って小さく笑う彼女。
俺はそんなお前に興奮するわ。
…って何思ってんねん!!キショいわ…。
○○「小さい頃に一回だけしか見たことないんだ。だから今日は凄く楽しみだったの!」
白石「そか、そら、もじもじしたくもなるわけや。」
○○「私、そんなもじもじしてた?」
白石「あぁ、まるで俺の事誘ってるみたいやったで」
○○「そ、そんなこと…」
(あれ、まんざらでもない様子やな)
白石「なぁ、キスしてもええか?」
○○「いつもは聞かずにするのに…どうしたの?」
白石「このキスは、特別なキスやから。このキスしたら俺はもう止まらへんで」
彼女も理解したらしい。
顔を真っ赤にして頷いた。
白石「おおきに…」
そう言って俺は彼女に優しいキスをした。