第8章 カコのあたしと赤司君
「…悪ぃな、変なトコ見せて」
『気にしないでよ!今更、あたしと大輝の仲じゃん』
「…そうだな。、お前も止まりそうになったら俺に言えよ。いくらでも俺が背中を押してやる」
その瞬間、赤司君の事が頭の中に浮かんだ。そうだ、赤司君と話すって意気込んでいたっけ。うん、今ならいけそうな気がする。大輝もいるし。
『じゃあ大輝、何も聞かずに"頑張れ"って言ってくんない?』
「は?何で」
『何も聞かずにって言ったでしょ。特に意味は無いよ。ただ、なんか今頑張らなきゃいけない気がして』
ごめん、大輝。あたしは初めてアンタに嘘着いちゃった。
「わーったよ。ほら、"頑張れ"」
『…ありがとう』
大丈夫、今なら赤司君に話しかけれる!ていうかもう、告白しちゃおう!今言わなきゃ、もう一生言えない気がする!
あたしは昼休み中に赤司君の机の中に呼び出しの紙を入れた。
"放課後、体育館倉庫前に来てください。大事な話があります。2組 "
ドキドキしながら赤司君を待った。
赤司君があたしの名前を呼んでくれるのが好き。
あの声が好き。
赤司君が微笑んでくれるのが好き。
目線を逸らさずまっすぐ話してくれるのが好き。
まだ全然話してないけど、赤司君の好きはこんなにもたくさんある。
振られる事は分かってる。
それでも、この想いを赤司君に聞いてほしいだけ。
「何の用だい?」
『…来てくれてありがとう、赤司君』
少しだけ、勇気を出そう。