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隣を歩くのは

第8章 カコのあたしと赤司君


山内「すまん、遅くなった!」

男子「おせーよ山内、!ていうか元1組のメンバーで飯食べるとか久しぶりだなぁ!」

『あんたらホント煩いのは変わらないね。大輝、ちょっと詰めて』

「おー」



いつも、大輝の隣はあたしだった。毎週水曜はこうやって大輝軍団と一緒にご飯を食べていた。たかが数か月前の事なのに、こうやってみるとやっぱり懐かしいモノだ。


…けど、やっぱり大輝の様子がおかしい。心ここにあらずというか、違う事を考えている。

いや、大輝も考え事くらいするだろうけど、おかしい。何か追いつめられているような…



『大輝…?』

「あ?なんだよ」

『何だよって…大輝g』

「あ、飲み物忘れた。、購買行くぞ」

『え、うん』



大輝に言われるがまま、あとを追う。いつもはギャーギャー騒いでいたけど、今では一言も話さない。あたし、何かしたっけ。いや、今の大輝はそうではない。きっと大輝自身の問題。



「ほらよ」

『え、いいよ。あたし飲み物持ってるし』

「いいから、ちょっと体育館寄って行こうぜ」



大輝はスタスタと体育館に向かって歩く。購買から体育館は割と近いから、すぐに着いた。



『大輝、どうしたの?最近おかしいけど、今日は一段とおかしい』

「…やっぱそう見えるか」

『去年は365日ほぼ一緒にいたからね、それなりには』



去年は土曜も日曜も、夏休みも関係なく大輝と会っていた気がする。部活中だったり、遊びに行ったり。



「最近、バスケがつまんねぇんだよ」

『…は?大輝が?あのバスケバカの大輝が!?』

「バスケの何が一番楽しかったかと聞かれれば、俺は迷いなく試合だって答える。だけど、最近気付いちまったんだ。どいつもこいつもヘボばっかりだって」

『…それは、大輝がうますぎるから?』

「…そうかもしれねぇ。頑張ったら頑張った分だけバスケがつまらなくなっちまう。お前はバスケとは関係ねぇから黙ってたんだが、最近あまり部活行ってねぇんだ」



大輝は去年、HRが終わり次第飛び出すようにして部活に行ってた。あたし達にさよならの挨拶もしないくらいに。

その大輝が、部活を休んだ…?
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