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隣を歩くのは

第8章 カコのあたしと赤司君


來未「…で、あれからどうなの?」

『あのね!敦が教科書忘れたらしくて赤司君に借りたんだって。少し見せてもらったけど、綺麗なの!教科書も綺麗だしアンダーラインも綺麗だし!もうどれだけ綺麗n』

來未「ストップ!私が聞きたいのはそういう事じゃなくて、赤司君と何か進展あったの!?」

『進展!?ないない!あたしはもう遠くから見てるだけで満足だよ…』

來未「…はぁ…」



そう、確かに世界は変わったけど赤司君とは進展はおろか会話もしていない。話しかけようとしても心臓が破裂しそうになってそれを邪魔する。



來未「ちゃん、同じバスケ部の青峰君とか紫原君と仲が良いんだから、協力してもらえばいいのに」

『絶対嫌だ!大輝とかに知られたくないし、知られれば絶対何か言われるんだもん!』

來未「そう言ってる間にもう夏を迎えようとしてますよ」

『だからだよ!夏は全中もあるし、バスケ部もサッカー部も忙しくなるんだから!』

來未「…クスッ、そうだね。ちゃんは責任感の強い人だもんね」

『?』




もうすぐ全中。あたし達サッカー部はもちろん、大輝や赤司君達バスケ部も、今は大変なんだろうな。

とか思ってると、廊下の方に大輝を見つけた。



『だい…き…?』



声をかけようと思ったが、それも出来なかった。大輝の表情が、とても辛そうだったから。


山内「青峰ーっ!」

「…あぁ、山内か。どうしたんだ?」

山内「どうしたって…お前がどうしたんだよ。元気ないぞ?」

「別に何でもねーよ。で、どうしたんだよ」

山内「今日久しぶりに飯一緒に食べようぜ!」

「あー、今日はバスケ部の奴らと…ま、いいか。いや、いいぜ。屋上でも行くか」

山内「よっしゃ!おい、お前も来るよな!?」

『あ、うん…』

「…じゃーまた後でな」



大輝、本当に一体どうしたんだろう。山内も何が何だか分からないような顔をしている。

それから大輝を見る事もなく、昼休みを迎えた。
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