第3章 子供
「そう言えば、中谷教授が呼んでいたぞ。昨日伝えるのを忘れていた。すまない」
『はっ!?すまないじゃないよ!中谷教授遅刻には煩いんだって!ごめん來未、あたし先に行くから!』
來未「あっ、うん!」
『ついでに頑張れ!』
來未「ちょ、ちゃん!」
來未にグッと親指を立てる。隣で真ちゃんが頭に?を浮かべてたけど、來未には伝わってた。
來未は真ちゃんの事が好きだ。中学からずっと。2人きりになった今、頑張る時だよ來未!!!
走って大学までの道を急いでいたら、見慣れた青とピンク、水色が見えた。
『はい邪魔ー』
「いてっ…ってお前か、!!!!待てこら!」
『ちょ、洒落になってない!苦しいからマフラー引っ張るなアホ大輝!』
「ならさっさと俺に謝りやがれ」
『ごめんなさい(棒読み)』
「てめっ…」
「まぁまぁ大ちゃん。も何か用があったんだと思うし。ね、テツ君!」
「そうですね。さんが理由もなしに青峰君に喧嘩吹っかけるとは思いませんし。…多分」
『さつき…テツ…そうだよ!あたしがそんな事するわけないじゃん!』
「いつも理由もなく喧嘩吹っかけてるのはどこのどいつだ、あ?」
『大輝』
「お前もだろうが!!!」
体育学部2年、青峰大輝。帝光中時代から今みたいにバカばかりやってきた、いわゆる同族。ま、あたしは大輝みたいに頭までバカじゃないけど。
大輝は中学後半からバスケのせいで荒んじゃったけど、高校でテツに負けてからちょっとは改心したみたい。ま、バスケの天才だけど、それはあたしには関係ない。大輝は大輝だから。
教育学部2年、黒子テツヤ。テツとは中学の時に大輝に紹介されて仲良くなった。表情変えないしあまり喋らない奴だけど、テツの思考は大好きだった。影が薄くて困るけど。
大輝とは仲たがいしてたみたいだけど、高校に入ってバスケで勝負し、今では中学の頃みたいに仲良しに戻った。スポーツで育む友情、男子っていいなと思う。