第7章 宿泊してみました
「どっこいしょ、と」
「…混ざらなくていいのかい、大輝」
「休憩だよ、きゅーけー。あいつらうるさすぎ。ん」
大輝は手に持っていたコップを僕に差し出す。受け取ったコップに日本酒が注がれる。大輝は自分のコップにも注ぎ、僕達は小さく乾杯をした。
「ったく、酒弱いくせにのペースで飲むからああなるんだ」
「大輝がまともな事を言ってるのは久しぶりだね」
「んだと!?…まあいいわ。それで、何がいいんだよ」
「?」
「さっき、いいなって言ってただろ」
「…聞いてたんだね」
答えようにも答えられない。だって僕自身、分からないのだから。
「…先週、実家に帰った。卒業式の時にから3年分の写真をもらったんだ。んで、コレを見つけた」
大輝が取り出した写真は、懐かしき帝光中の制服を着たと大輝が、仲良さそうにピースして映っていた。
「…一体これがどうしたんだい?」
「何か気付かねぇか」
「…昔も仲が良かったんだな」
「そうじゃねぇだろ」
大輝に言われなくても気付いている。目を逸らしたかった。僕は逃げたんだ。
「日付は、が言ってたお前に告白をした時期。その写真の…笑えてねぇだろ」
の顔には、作り笑いの表情が張り付いていた。
「俺も自分を恨んだ。どうして気付いてやれなかったんだろうってな。俺は自分が情けねぇよ。何がダチだ、笑えるだろ」
「…」
「だが、やっぱりお前がゆるせねぇよ。アイツをこんな表情にさせたのは紛れもない、お前だからな」
大輝の言葉とのこの表情が、ずっと頭の中を流れていた。