第7章 宿泊してみました
赤司side
それからご飯を食べ、風呂にも入った。が、それで就寝という事はなく、旅館に飲み放題コースがあったため急遽宴会が始まった。
ここはきちんとした旅館らしく、酒の質も高かった。普通居酒屋などで出される酒は質より量なため、たいてい薄めてある。だが、ここはそんな事はなかった。
そのおかげか、皆はもう酔っていた。
「っちー!っちどこー!?」
『何よ涼太』
「あー!いたー!っちみーつけたっ!」
『へっ!?きゃっ…ちょ、涼太重いー』
「へへへー♪っち大好きッスー!」
『はいはい。涼太本当に犬みたい。そりゃっ!』
「あはははっ!ちょ、くすぐったいッスよー!」
隣でと涼太がじゃれ合っている。涼太は完璧に酔ってるが、は違う。しかし楽しそうにしている。
「羨ましそうですね、赤司君」
「…テツヤか。一体何がそう見えたんだい?」
「さんと黄瀬君の事です。青峰君とも仲がいいですが、黄瀬君とも凄く仲良しですよね」
「…そうだね。幼馴染のようなものだと聞いてるよ。それに…羨ましいと思ってるのはテツヤじゃないのか」
「…そうかもしれません。ということで僕も混ざってきます」
テツヤの足取りがおぼつかない。どうやらかなり酔ってるらしい。
ミスディレクションを駆使したテツヤはに抱き着く涼太をはがし、自分が抱き着く。それを見た桃井も然り。
「ちん!何で俺のとこには来てくんないの!?」
『あーもー!耳元で叫ばないでよ敦!ほら、敦がおいで』
「うん!ちん好きー!ちょっと黒ちん、どいてよ」
「まだ変わったばかりです。もう少し待ってください」
「やだやだー!俺の番だしー」
「うるさいのだよ!、こっちに来い!」
「そーやってミドチンが独り占めするつもりでしょー」
「その手には引っかかりませんよ。残念でした、緑間君」
の周りには人が集まる。キセキの世代のような難癖ある奴らが。
「…いいな」
僕の口は自然に動き、言葉を紡いでいた。