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隣を歩くのは

第7章 宿泊してみました


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「「「「「あはははっ!!!!」」」」」

『わ、笑うなぁぁぁぁ!!!』

「つーかなら今すっぴんか?」

『つけま取れただけ!!!てかあんたらあたしのすっぴん知ってるでしょ!?今更興味持つな!』

「…僕は興味あるな」

『赤司君は黙ってて!』



別に大輝たちはよく泊まり合いしてるからあたしのすっぴんなんて腐るほど見てきた。だけど赤司君は違う。

やっぱりいくら関わらないと決めた相手でも、見られるのは恥ずかしかった。



千明「は化粧してもしなくてもあまり変わらないんだから大丈夫だよ」

『でも…』

「でもじゃないの!それより、転んだ恐怖で滑れなくなったの?」

『…うん』



正直、転んだときは凄く怖かった。あれだけスピード出てたのに宙に浮いてる時はスローモーションのように時間が流れたし、何か変な思い出がいっぱい脳内を回った。多分、あれ走馬灯。

雪の中に顔突っ込んでるはずなのに冷たさとか感じないくらい頭の中がグワングワンしてたし、むしろ転ぶ前の事が脳内メモリから抹消しかけてる。

痛みとかは今はないけど、むち打ちなら翌日の方が痛みが大きいって聞くし。



「こればかりは更に慣れるしかないと思うのだよ。今日はひたすら滑る事にするのだな。お、俺が付き合ってやってもいいのだよ」

「あー!緑間っちばっかずるいッスー!俺も俺も!午後からは俺が見てあげるッスよ!」

「黄瀬君は教え方上手くないので、僕が教えましょう。滑れなかった者同士、心境とか近いですから」



それから皆が教えてくれると言ってくれた。あたしのために…と涙が出そうになるくらい嬉しかったが、グッと堪えた。



『大丈夫だよ。滑り方はなんとなく分かるし、あとは真ちゃんの言う通り慣れだと思うから。皆は自由に楽しんでよ!』

「ばーか、何言ってんだ。俺らは好きでお前とここに来てんだよ。一緒にやんなきゃつまんねーだろうが」

『大輝…うん、分かった。皆、ありがとう』



本当に良い友達を持ったと思う。

午後からが楽しみだな。
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