第7章 宿泊してみました
結局が滑れないまま昼食休憩をとった。マンツーマンの個人レッスンとなってしまった僕達は、2人組で次第に集合していった。
「お帰りー!どうだった?」
『全然ダメ』
「あー、お前どんくせぇもんな」
『煩い大輝。アンタと比べんな!』
「けどっち、バランスボールとか得意ッスよね?」
「赤ちんの教え方がまずいんじゃないの~?」
「僕はちゃんと教えてるよ。それに全く滑れないというわけではない。ただ…フッ」
『あー!赤司君また笑った!人が恐怖と戦ってるっていうのに…』
「ふふっ、すまない。あれは見事すぎて」
皆が何言ってるんだという目で見てきたため、僕は笑いを堪えながら話した。
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「そうそう、いい感じじゃないか。上手く出来てるよ」
『本当!?じゃあもう1回上から滑ってみようよ!』
「上からはまだ早いと思うよ。傾斜も急だったから」
『大丈夫だいじょーぶ!』
まだ早いと踏んだ僕だったが、は大丈夫の一点張りだった。まあそこまで言うなら、と僕も着いて行った。
きちんとブレーキの練習もしたし、大丈夫だろう。確かに僕はそう思ったがそれが間違いだった。
『ちょちょちょちょっと待ってぇぇぇ!!!ストっ、ストップうううう!!!!』
「!横になってブレーキかけて!」
『無理無理無理いいい!今やったら絶対転ぶ!』
「転んでいいから!後ろに倒れて!」
『怖くて出来ないよおおお!ぶへっ』
乗りすぎてしまったスピードを制御できなくて、は見事に転んだ。それはもう見事な1回転をして。
最初は何回も転んでいたが、それは全部後ろに倒れていた。今回は前から突っ込んだ形になったため、痛みとか強いだろう。何より首が心配だ。
その心配に追い打ちをかけるように、は雪に埋もれたまま起き上がらなかった。
「っ!大丈…」
『…痛い』
「…え?」
『痛いよおおお!!!首痛めた!ていうか超怖かったぁぁぁ!!!』
「分かったから!大丈夫だから、落ち着いて…ぷっ」
『なっ!?』
「いや、すまない。ただ…つけまつげ、取れてるよ?」
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なんて出来事があった。