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隣を歩くのは

第7章 宿泊してみました


赤司side



試行錯誤するも、一向に滑り方はおろかセットの仕方も分からない。誰かに聞くのが一番だが、騒がしい僕達の周りから人はどんどん遠ざかっている。

そんな中。



若松「…?」

『っ!若松さん!』

若松「って青峰に桃井も…つーかキセキの世代!?」

「え、何。若松スノボ出来んの?」

若松「だから敬語使えって言ってるだろ!!!人前には出来るけどよ」

「ちょうど良かった!若松さん、私達に教えてくれませんか!?」


そうか、どこかで見た事があると思えば彼は確か若松孝輔。桐皇学園バスケ部だったな。

大輝と桃井はいいとして、なぜ若松がを知ってるのか。



若松「はぁ?つーかこれ全員!?」

「いいじゃないですか!もいる事ですし!」

若松「っ///」



…あぁ、そうか。そう言えばこの前は合コンをしたんだった。珍しく大輝が幹事をしていたのはそうか、若松を紹介するためだったのか。

桃井はに聞こえないように、だが僕にはしっかり届く声で若松に耳打ちした。そして見る見る赤くなる若松の顔。




若松「…わーったよ」



それから若松は意外にも丁寧に教えてくれた。今吉が抜けた後、主将を任されていたくらいだから、ああ見えて面倒見は良いのだろう。

…気に食わないのは、に付きっきりで教えていた事だ。



しかし教え方が上手いのか、僕らの運動神経が良いのかは分からないが(多分両方だと思う)、10分もすれば佐倉を除く全員が平地を自由に歩けるように(キックで滑れるように)なった。

佐倉は見た目通り運動が苦手らしく、動きは固いながらも時間をかけどうにか歩けるようになった。



それからついに上に行こうということになり、リフトに乗る。さも当たり前のようにの隣には若松が乗った。



「赤ちん、感情が表情に出すぎ~」

「…僕はどういう表情をしていたんだ?」

「んー、男の子って顔かな~」




…僕には理解出来なかった。しかし敦はそれを伝えると満足したように、宙に浮いている足をぶらぶらと揺らした。
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