第7章 宿泊してみました
『あたし初心者だから誰か教えてくんない?』
千明「私も」
來未「わ、私も…」
「私もー!」
「あ、俺もッス!」
「俺も~」
「僕もお願いします」
「俺も初めてなのだよ」
「僕もお願いしようかな」
「わりー、俺も…」
「「「「「『…え?』」」」」」
ちょ、えぇぇぇ!?今皆喋ったよね!?皆教えてって言ったよね!?
『ちょ、ちょっと待って。もしかして皆初心者?』
「…そうみたいなのだよ」
『なのだよじゃない!どーすんの真ちゃん!!!』
「なぜ俺なのだよ!青峰!貴様が誘ったのだから貴様がどうにかするのだよ!」
「んな事言っても知らねーし。オイ黄瀬、そこら辺の奴らのコピーしろよ」
「無理っスよ!まずボードの付け方も知らないし!!」
「肝心な時に使えないね~」
「バスケの時に使えてるからいいんスよ!!!桃っち、スノボの情報とかないんスか!?」
「そんなのあるわけないでしょう!?ちょっと待って、今携帯で…圏外だ、ここ…」
「しょうがない、僕がどうにかしよう」
『え、赤司君出来るの?』
「出来ないよ。涼太ほど正確ではないが、見様見真似でやるしかないだろう」
「赤司っちは器用だし何でも出来るッスからね!」
赤司君は本当に周りを見てボードに足をセットした。それだけであたし達からは歓声が上がる。…まぁ本当に正しいセッティングなのかは不明だけど。
行くぞ、という掛け声と共に赤司君はゆっくりと前に滑った。いけた!と思い、感嘆の声を上げると、それはまあ見事なまでに赤司君は
ひっくり返ったのだった。
「…何故だ」
『いや、何で出来ると思ったわけ』
雪の上で転んだ状態のまま目を開いたままの赤司君、超怖い。
けど怖い以上にとてもシュールでした。