第7章 宿泊してみました
side
「……」
『んあ…赤司君』
「クスッ…随分爆睡してたんだね。もうすぐ着くよ。ほら、見てごらん」
赤司君に促されて窓の外を見ると、一面真っ白だった。東京では雪を見る事はあっても、こうやって積もっている景色を見る事はない。
『うわぁー!凄い凄いすごーい!真っ白だぁ!』
「ったく、ガキかよ」
「さんは雪は初めてですか?」
『初めて!あたし、田舎の方の親戚いないから』
「はしゃぎすぎてこけても助けねーぞ」
『大輝にそんな心配してもらう必要もありませんー。大輝はいいよねぇ、黒いから雪の中にいても一目で分かるしっ!』
「んだとコラ。つーかウェア着たら一緒だろ」
「楽しみだね、テツ!」
「無視かコラ」
「早く行きましょうか」
「テツてめぇ…」
少し遅れて真ちゃん達もやって来た。相手にしてもらえなかったのか、涼太があたし達の元に一直線にやって来た。そして次第に皆も集まってくる。
「っちぃぃぃ!!!緑間っちは運転してるからまだしも、紫っちなんて全く相手にしてくんないんスよ!?」
『あー、あたしも寝ちゃったから何とも言えない』
「え!?っち寝たんスか!?ちょ、誰か写メ撮ってない!?」
『ちょっと待て。仮にもし写メがあったとしたらそれをどうするわけ』
「待ち受けn」
『死ね』
「うわーん!冗談ッスよー!!!」
涼太が引っ付いて来て鬱陶しい。いつも助けてくれる大輝は、さっきの事をまだ根にもっててこっちを見ようともしないし。
助け舟その2のちーちゃんは何やら敦と話している。…いや、お菓子を食べていた。
どうにか涼太を宥め、男女に分かれてロッカールームへと入る。あたしは友達から借りたウェアに袖を通していく。
ウェア代だって2日借りれば大層な値段になる。さすがにボードそのものは借りれなかったけど、これだけで随分お金が浮いた。
そしていざ、雪山へ!!!