第6章 合同コンパ

それから赤司君といろいろな話をした。

趣味の話だったり、学校での話だったり、キセキの話だったり。

特にキセキとの出会いから今に至るまでの経路はじっくり話た。特に平凡な出会いだった事を知った赤司君は、少しびっくりしていたけど。


「あいつらがあんなにも懐くくらいだから、もっと凄い事をしたのかと思ったよ」

『あれは懐いてるって言ってもいいのかな。ま、涼太には完全に懐かれてるね』

「あいつは犬みたいだからね。それより、そろそろ本題に入ってもいいかな」

『…あまり歓迎はしないかな』

「それでも僕は聞くさ。中学時代、僕との間には何があった？」

『…それは…』



やっぱり言いたくない。というか、思い出したくない。ほら、少し考えただけでもう、体は震えている。



『普通だよ。あたしが赤司君に告白して、そしてフラれた。それ以上何もないよ』

「ならどうしてそんな目をするんだ」

『っ…』

「どうしてそんなにも、怯えているんだ」




っ、やっぱりだめか。悟られないように必死で作っても、やっぱりばれちゃうよね。赤司君、そういうの敏感そうだし。




『赤司君は知らなくてもいい事だよ。今のあたしには関係ない事だから』

「しかしそれでは…」

『赤司君！…それでいいんだよ。何も解決しなくていいんだよ』



あたしは赤司君の言葉を遮った。そう、何も解決しなくていいんだ。前になんか進まなくたって…



「…僕が嫌だ。っ…今日はもう帰るよ。明日は朝から部活なんだ」

『…そっか、頑張ってね』

「」

『？』

「…また、来てもいいかい？」









『…勝手に入らないって約束してくれるなら』

「…クスッ、そうか。今度はちゃんと伝えてから来るよ。また今度連絡先を教えてくれ」





赤司君は出て行った。







あたしは何がしたいんだろう。





本当に関わりたくなければ、赤司君の願いを断れば良かったのに。












結局あたしは









































過去が、あの恐怖が忘れられないただの臆病者だ。