第6章 合同コンパ
「何してるの?早く入りなよ」
『…何してるの?赤司君』
「何って、ご飯作ってたんだ。冷蔵庫の中、勝手に使わせてもらったよ。それにしても遅かったね。こそこんな時間まで何してたんだい?」
『…ちょっと待って、何これ?あたしがおかしいの?』
「とりあえず玄関は寒から、中に入りなよ」
『あ、はい…』
きっとはどうやって僕が部屋に入ったのかを考えているんだろう。ま、教えるつもりはないけどね。
それに、僕は今日が何をしていたのかも知っている。
『単刀直入に聞くけど、何で赤司君があたしの部屋にいるの?』
「それよりせっかく僕がご飯を作ったんだ。まだ時間も経ってないから冷めないうちに食べてよ」
『あたし今日食べてきた』
「知ってるさ。だから胃に優しいものを作ったんだ。食べるよね」
『っ…いただきます』
少し目を細めて言うと、簡単に頷いてくれた。ちなみにメニューは湯豆腐だ。
「それで、何で僕がここにいるか、だったね」
『…うん。あたし鍵はお姉ちゃん以外誰にも渡してない。お姉ちゃんと赤司君に接点があるとも思えない』
「そうだね、僕はの姉とは顔見知りでもない。なら少しクイズでもしようか。僕はどうやってこの部屋に入ったのでしょうか」
『…大方大家さんに嘘でもついて開けてもらったんでしょう』
「…正解。へぇ、大輝と仲が良いからてっきり同じ思考回路だと思ってたけど、違うみたいだね」
『残念。大輝とは確かに仲良いけど、同じように真ちゃんとも仲良しですから』
「あぁ、そうだったね」
そうだった、忘れるわけがない。僕はあいつらととの関係が知りたくて、彼女がどんな人間か知りたくて、あいつらが彼女の何に惹かれているのかを知りたくて、と一緒にいるんだった。
『乙女の部屋に勝手に入るなんて、警察沙汰だと思うけど』
「はそんな事しないだろう?僕は大輝たちの友人だからね」
『…卑怯者』
「ははっ、それでも構わないよ」
僕お手製の湯豆腐を口に運ぶを見て、僕も同じように口に運ぶ。
以前も思ったが、は品は悪くない。むしろいい方だった。