第6章 合同コンパ
「んだよ、だらしねーなぁ」
『あたしらに勝てる人なんて早々いないよ。あーあ、可愛そう』
「えらく贔屓すんじゃねーか。気に入ったか?」
『そういう意味じゃなくて。もうばれたから言うけど、赤司君に振られてから、恋愛するのが怖くなったんだ。けど皆がいる今ならもう大丈夫な気がして、また始めてみようと思っただけだよ』
「ふーん」
『ふーんって…それより大輝、女の子いいの?あたしなんかに構ってないで他の子のとこ行きなよ』
「全員酔った」
『ふーん。…はぁ!?』
注意深く辺りを見れば、一緒に来た女の子達は寝てるか鬼絡みしてるか、消えてるかのどれかだった。大方大輝が飲ませたんだろうけど。
男性陣は男性陣だけで何やら盛り上がってるし。これじゃあ本当に合コンなんて呼べるだろうか。
「おーい、火神ー」
火神「んだよ」
「こっちきて一緒に飲もうぜ」
大輝は火神君を呼んだ。確かテツの高校時代の相棒だとか。そして、テツの光だった。
『初めまして火神君。テツがお世話になりました』
火神「あ、こちらこそ…って、は?」
「細けぇことはいいんだよ。どうせテツからの事聞いてんだろ」
氷室「なら俺も混ざっていいかな。ちゃんの事はアツシから聞いてるよ」
宮地「ー、コイツも頼むわ。女慣れさせてやってくれ」
笠松「オイ宮地!余計なお世話だっつーの!」
「なんやかんやで皆来たな…よし、コイツラまとめて潰そうぜ!」
『…ったく、そんな事して誰が皆さんを連れて帰るのよ』
「テツ達に連絡すれば大丈夫だろ」
大輝の無責任発言を聞き、なんかあたしもどうでもよくなった。
いつものように大輝と手分けをして1人1人確実に酔わせていく。氷室さんは手強かったけど、あたしと大輝が負けるはずも無く、結局いつものようにあたし達2人が残った。
『ねぇ大輝』
「あー?」
『今日すっごく楽しかった。ありがとね』
「…別に」
過去の事でびくついていたあたしは、かなり元気が出た。紛れもなくこれは大輝のおかげ。ありがとう、大輝。