第6章 合同コンパ
合コンって言えばお洒落な店でのんびりとやるものだと思っていたあたしは、ちょっと落胆した。だって会場は普通の居酒屋だもの。嫌いじゃないけど。
というか場所を予約したのも大輝らしいから、そういうのを期待するだけ無駄なんだけどね。
「ー、ちょっと来い」
『…大輝に命令されるとなんかムカつく。何?』
「コイツがお前と話したいんだとよ」
若松「ちょ、お前!!!」
「んだよ、そうだろ?つーかアンタがと話したいからってセッティングした合コンだろ?」
若松「バラすなぁぁぁ!!」
…そうなのか。若松さん、だっけ。すっごい顔赤いんだけど。何コレ、何かあたしまで恥ずかしくなってきたんだけど。
若松「ちょ、青峰!お前も一緒にいてくれ!」
「はぁ?何で…」
若松「いいから!な!後でバッシュ買ってやるから!」
「乗った」
なんて単細胞なんだろう、大輝って。
とりあえずあたしは若松さんと大輝に挟まれる形で座った。
若松「…」
『…』
「…何か喋れや」
若松「わ、話題がねーんだよ!」
「それを女の前で言っちゃだめだろ。頼むわ」
『あたし!?』
「いつもの感じでいーんだよ。適当に喋ってれば若松も満足すんだろ」
若松「聞こえてるけど!?」
いつもの感じかぁ…ん!?いつもの感じ!?いつもあたし男子とどうやって喋ってるっけ!?
大輝とは…憎まれ口しかたたいてないかも!!さすがに初対面の人にそれは無理!
涼太は…うん、いつも涼太の話ばっかりだったね。参考にならないや。
敦は…お菓子の話しかしてない!若松さん甘いの嫌いそうな顔してるし…
真ちゃん…はいつもあたしがからかってばかりだな。いじりがいがあるんだもん。
テツとは…もうあれだね、空気が和むから自然と口が動いてたなぁ。
…誰1人まともに話してねぇ!!!!無理無理無理ぃぃ!あたしのこのスキルじゃ無理ぃぃぃ!!!
『きょ、今日は天気がいいですね!』
若松「そ、そうですね!」
「…今日曇りだしすっげー寒いんだけど」
「『 』」
終わった。