第5章 変化
千明「あれ?誰このイケメン君」
『…同じ学科の人』
「酷いな、。ちゃんと紹介してくれてもいいだろう?初めまして、経済学科2年赤司征十郎です。と同じ帝光中出身のバスケ部だよ」
千明「げっ、これが赤司征十郎…」
「オイ池端、お前いきなり走んなって…チッ、何でお前がここにいるんだよ、赤司」
「僕が存在する理由が大輝には必要かい?」
「必要だな。昨日に言われた事忘れたのか」
『ちょ、ストップ!大輝、落ち着いて!』
大輝は昔からすぐ頭に血が上りやすかった。特に友達をバカにされたり傷つけられたりした時は。
ちーちゃんを追うようにして大輝が現れた。ちょうど講義が終わったんだろう。毎週この曜日はご飯を一緒に食べてるから。
「何で俺ばっかりなんだよ」
『相手にしなくていーから!昨日言ったばかりでしょ?』
千明「ダメ!を傷付ける奴は私が許さないんだから!ほら、場所変えよう!」
『ちょ、そこまで露骨にしなくていいっていうか…』
「構わないよ。次の講義、は取ってないだろう?僕は準備もあるからこれで失礼するよ。また後でね」
…いや会わないから!けど赤司君が去り際にまたあたしの頭を撫でようと手を伸ばした。
…が、それは出来なかった。大輝の持前の反射神経で引き寄せられ、赤司君の手は宙を切った。
「言っただろ、コイツは嫌がってんだ」
「僕も言っただろう?僕は好きなようにやらせてもらうと」
大輝の腕とちーちゃんの背中に守られるような体制でいると、赤司君と目があった。赤司君は小さく、だけどはっきり口を動かした。
"またね"
いくら気に食わない赤司君でもイケメンはイケメン。腹が立つほどその姿もイケメンだった。
けど昔のあたしみたいにキャーとか叫ばないけど。
赤司君は大輝たちの威嚇を意にも解せず颯爽と歩いていった。