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隣を歩くのは

第5章 変化


赤司side



友達にはならない、か。友達という縛りには興味を示さない僕だが、の僕を見るあの目が忘れられない。



「…一体さんに何をしたんですか、赤司君」

「…テツヤか。一体いつからいたんだ」

「赤司君たちが入ってくる前からですよ。珍しいですね、赤司君が僕に気付かないなんて」

「ミスディレクションの力が上がったんだろう」

「…どうですかね。相席、いいですか?」



特に断る理由もなかったため、一度だけ頷いた。テツヤは自分の席から伝票とさっきまで飲んでいただろうカップを持ってきた。


「テツヤは1人でこういう店に入ったりするのか」

「今日は待ち合わせです。あと10分もすれば来るはずですよ、黄瀬君」

「昔から涼太はテツヤにべったりだったからね」

「僕としてはありがた迷惑な話ですけど。ところで赤司君、僕はこんな話をしたかったわけじゃありませんよ」

「分かってるさ」



多分、僕は考える時間が欲しかったんだろう。



「…さんの友人として、赤司君の友人として聞きます。昔、君達の間には何があったんですか」

「…単刀直入に聞くね。だが答える事は出来ない」

「どうして…」

「それは僕が聞きたいよ。僕自身、本当に覚えていないんだ」



僕は中学時代、と接点を持った覚えも無ければ告白された記憶もない。しかし…



「…僕に心あたりがあります」

「奇遇だね、多分僕も同じ事を考えてるよ」

「それなら心強いです。さんが告白した時には既に」

「"俺"から"僕"へと変わっていた」



テツヤはまるで、本当に分かってたんですねとでも言うような目で僕を見てきた。



「随分挑発的な目をするね」

「そう見えましたか。何しろさんは僕の大事な友人ですから」

「僕は違うのかい?」

「理由がはっきり出来ない今、赤司君を庇う気にはなれません」

「ははっ、随分嫌われたものだね、僕も」

「赤司君」

「なんだい?」

「これから、どうするつもりですか」

「そんな事を聞くなんて、テツヤも野暮だね。決まっているだろう

























僕は僕のやりたいようにする」







それこそ、愚問だと思わないかい?
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