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隣を歩くのは

第4章 大人=第2の人生?


真ちゃんと会場に戻ると、元3年1組の子に呼ばれた。どうやら1組でも集まるらしい。気乗りはしないが、友人に引っ張られながら向かった。

そう、あたしは元1組が苦手だ。元1組というより、ある人物が。



友人「皆ー!連れてきたよー!」

友人「おっせーよ!オイ、飲むぞ!」

『まだ懲りないの?もうバカのチャンピオンだよあんたら』



このクラスには大輝軍団が結構いる。女子の友人も多く、ちゃんと楽しいクラスだった。…なのに




「酒は飲んでも飲まれるなという言葉があるだろう。成人したての体で無理に飲むのは薦めないよ」

「あ、わりィ…」



そう、いつも楽しもうとしたところでアイツの…赤司君の言葉が一気に空気を凍らせるのだ。


あの大輝軍団と言えども、大輝がバックにいると言えども赤司君には逆らえないらしい。



『大丈夫だよ、赤司君。皆も分かってるから』

「そうか、ならいいが」



きっと赤司君はあたしの名前とか知らないだろうな。ていうか、同じ大学、しかも同じ学科にいる事にも気付いていない。赤司君はいつも一番前で、後ろなんて振り返らないし。



『…ほーら、飲むんでしょ?』

友人「お、おう!!!」



こうやってシラケた空気を元に戻すのがあたしのこのクラスでの役目だった。赤司君は自分に被害が及ばなければ何も言わない。だからそれを説明するのもあたしの役目だった。


赤司君をこっそり見ると、優雅にワインなんて洒落オツなものを飲んでる。


赤司君とあたしの間にある物語は、あたし達しか知らない。ううん、きっとあたししか知らないんだろうな。



友人「ちょっと、どうしたの?ボーっとするなんてめずらしいね」

友人「まさか酔ったのか!?よっしゃ、俺らの勝ちだ!」

友人「ちょっとうるさいわよ男子!本当に大丈夫?」

『大丈夫大丈夫。ちょっと考え事してただけだから。あたし酔ってないし。ほら、かかってきなさいよ』



考え事して暗くなるなんて、あたしらしくないしもったない。特に、赤司君の事で。
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