第4章 大人=第2の人生?
皆でわいわいしていると、机にぐったりと伏せている緑を見つけた。少し抜けると伝え、真ちゃんの元へ急ぐ。
『おーい真ちゃん。大丈夫?』
「…か。もう同窓会は始まってるのか?」
『むしろ後半に入ってると思うけど。真ちゃん友達いないんだし、ここでゆっくり寝てなよ』
「友人くらいいるのだよ!」
『へー。どこに?』
「…俺の目の前だ」
…はて困った。ここで最大級のデレを戴いてしまった。そうか、あたしが唯一の友人か。
『ふーん。じゃあ親友のあたしが介抱してあげようじゃないか』
「誰が親友だ。調子にのるな」
『はいはい。何か飲む?』
「…ならば水を頼む」
真ちゃんのリクエスト通り、水を頼んだ。水を貰い、外に出る。ホテルで行われているこの同窓会。ロビーに出るとさっきまでの騒音は消え、ひんやりとした空気が流れていた。
『気持ちいねー』
「…そうだな。少しスッキリするのだよ」
『…あーあ。真ちゃんと中学の時から友達になってればなー』
「?どうしてなのだよ」
『そしたら高校みたいに、友達が出来てたかもしれないじゃん』
真ちゃんは黙った。そしてずれてもない眼鏡を直すと、あたしとは反対の方を向いて言った。
「べ、別にいいのだよ!高校でお前みたいなバカがいたからな!!!」
『真ちゃん…くすっ。最近真ちゃんのデレしか見てないなー』
「そんなのを見せた覚えはないのだよ!」
真ちゃんは真ちゃん。最高の親友、真ちゃん。2年前まではここに和ちゃんを加え、いつも3人でいた。秀徳にも他の友達はいたけど、やっぱり3人でいる事が多かった。
あたしの大事な親友だ。
「もう十分だ。そろそろ戻るぞ」
『はいはい。夜和ちゃんとも会うんだからさー、これ以上潰れないでね?』
「俺を誰だと思っているのだ、バカめ」
『真ちゃんだからこそ言ってるんだよ、バカ』
「ぐっ…」
変なプライドだけは一丁前だからなぁ。