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隣を歩くのは

第4章 大人=第2の人生?


会場に着いた早々、真ちゃんが吐いた。さすがに男子トイレにまでは入れないから、真ちゃんの事は大輝とテツに任せた。…そう言えばテツも何だかんだ大丈夫そうだな。

そしてあたしは女子トイレに向かう。



『さつきー、來未ー。大丈夫?』

「だ、大丈夫…じゃないかも」

『…だよね。水持ってきたけど飲む?』

來未「飲む…」



さつきも來未も普段からは考えられないくらいテンション高かったからなぁ。勢い余って飲みすぎちゃったか。普段あまり飲まないから一気に来たんだろう。


出すものを出して幾分かスッキリしたのか、トイレから2人が出て来た。



『もうあまり飲んじゃダメだよー?』

「そうしたいんだけど…テツ君に薦められると飲んじゃって…」

來未「私は青峰君に飲まされて…」

『あー…分かった、させないように言っておくから。あと少し、飲めそう?』


そう言うと2人は頷いてくれた。同窓会で2人だけ飲まないっていうのは、その場に入れてないみたいで可哀そうだし。少しなら大丈夫でしょ。アルコールの低いやつ持ってきてもらおう。


司会「それでは、第〇期帝光中卒業生による、同窓会を始めたいと思います」



ありきたりな司会の挨拶から始まった同窓会。特に指定された席も無く、皆自由に談笑している。あたしは來未とさつきの介抱をしながらのんびりとスクリーンに映される写真を見ていた。


あ、あたしの写真だ。…こうやって見ると、やっぱり來未とさつきの写真は少ないなぁ。


2人は可愛い。そんな2人に好意を抱く男子は多かった。そんな2人に嫉妬した当時のガキな女子たちは、2人を受け入れなかった。さすがにいじめまでは無かったけど。

そんな2人には友達が少なかった。あたしはモテないから困りはしなかったけど。



友人「!久しぶり!」

『皆ー!久しぶりじゃん!元気だった?』

友人「元気元気!あっちに元3組のメンバーいるから、向こうで話さない?」

『あ、ごめん…ちょっと今は…後で行くよ』

「いいよいいよ、は行ってきて!私達ならもう大丈夫だから!」

來未「うん!さつきちゃんもいるし!」

『…そう?じゃあ行ってくるね』




少し心残りもしたが、2人を残し元1年3組の所に向かった。あんな風に言われたら、もう残るなんて言えない。2人に気を使わせたくない。
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