第10章 分かってる
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「大j」
『じゃないです』
「…まだ最後まで言ってないんだけど」
『分かるでしょ普通!あわわわ揺れた!?今揺れたよね!?落ちる…落ちるよぉぉぉ!!』
「…少し静かにしてくれない?」
『そ、そんなの出来るわけ…』
「また口、塞いであげてもいいけど」
『黙ります!』
きききキスとか!キスとか2回もされちゃ心臓もたないし!って…なんであたし、嫌だとか思わないんだろう…これじゃあまるで…
「…ねぇ、」
『…何ですか赤司君』
「怖いならあの時みたいに、手握ってもいいよ」
『手?握ったっけ?』
「…へぇ、忘れたんだ」
ガタリと車内が揺れたかと思えば、怖くてギュッと眼を瞑った。次に隣に只ならぬオーラを纏った人の只ならぬ存在感を感じた。
観覧車はもうすぐ、頂点を迎える。
『ゆっ、揺れた!!!』
「忘れたのならあの時を再現して、思い出させてあげてもいいけど」
『…えらく強気だね、赤司君』
「落とすなら今日しかないかと思ってね」
『何?恐怖におびえた可哀そうな小鹿ちゃんを、更に追い込むわけ?』
「小鹿ちゃん、ね。どこにいるのかnぐふっ」
『あらごめんなさい。恐怖で体が勝手に動いちゃった』
ムカついたからエルボーをくらわせてやった。思いのほか効いたみたい。やった!
「…ねぇ、キスされた時、どう思った?」
『どうって…そんなんいきなりすぎて覚えてn』
チュッ
「…今のは、どう思ったの?」
『っ///さ、最低…』
「そう?だけどの顔を見る限り、それが本音じゃないのはバカな大輝でも分かると思うけど」
あたしの顔は悔しいけど、真っ赤だと思う。
また、キスされてしまった。