第10章 分かってる
「知ってる?観覧車のジンクス」
『し、知るわけないでしょ!?』
「なら教えてあげる。観覧車の頂点でキスをした2人は強く結ばれるらしい。ベタなジンクスとして有名だけど、試してみる価値はあると思わない?」
『勝手に試せば!?』
「何他人事みたいに言ってるんだい?相手はもちろんに決まってるだろう。それとも、大歓迎って事でいいかな」
『何勝手な解釈してんのよ!大体、1度こっぴどくフラれた相手をそう簡単に好きになるわけないじゃない!』
すると赤司君はふむ、と顎に手を当てて考え始めた。今更考える事でもないだろう!ずっと言ってきただろうが!
頂点まで、あと僅か。
「これは持論なんだけど、自分の想いを相手に伝えるためには、言葉ではなく本能に任せたほうがいいと思うんだ」
『何言っtんんっ』
赤司君はまたもや無理矢理キスをしてきた。じっくりと、長く甘いキスを。
頂点まであと、5秒。
赤司君は唇を離した。文句を言おうと思ったけど、赤司君の真っ赤な顔を見て言うのをやめた。
「好きだよ、」
あたしは赤司君からのキスを
受け入れた。