第10章 分かってる
赤司side
キス、してしまった。
僕の言う事を聞かないにムカついて、でもそれすらも可愛くて。
「…大丈夫?」
『な、なんとか…』
ジェットコースターを降りれば、の顔は真っ青だった。確かにあれは恐怖心を擽られた。癖になる人はなるだろうスリル。
『もう絶対乗らない…』
「そうだね、それがいいかもしれない」
『もとはと言えば赤司君が無理矢理…』
がいきなり振り向いた事によって、僕らの顔は数センチという所まで近くなっていた。その瞬間に顔が真っ赤になる。
『っ!///』
「…そんな反応されると、嬉しくなるんだけど」
『はぁ!?罪悪感とかの間違いでしょ!?』
「いや。普通嫌だったら僕から離れるだろう?それをはこんなにも可愛い反応を見せてくれる。嬉しくなっても間違いじゃないだろう?」
『…実力行使ってわけね。狡い人だね』
「人間は皆狡い生き物さ」
それからは何でもないように笑ってみせた。
そしてあっという間に時間は過ぎて、もう閉館の時間が近づいている。そしてふと、が見てる場所に気付いた。
「最後にあれ、乗ろうか」
『はっ!?無理無理!てか乗りたくないんだけど!』
「あんなに一心に見てたのに?」
『っ…』
「ほら、行くよ」
『ちょ、ちょっと待って!!!!』
僕はの手を引いて歩き出した。ジェットコースターではなく、観覧車に向かって。