第10章 分かってる
side
昨日、涼太と遊びに行った。映画を見てお互いの服を選んだりして…うん、そんな感じ。
するとスマートフォンが振るえる。涼太からのメッセージだ。
"省略しすぎッスよ!酷い!"
…あれ、心の中で言ってたつもりなんだけどな。涼太、いつのまに成長したんだろう。
そして今日は…
あぁ、やっぱり帰りたい。
ベランダから下をのぞいてみると、いるんだもん。赤髪が。約束の時間までまだ30分あるんだけどな。
重い腰を上げ、部屋を出た。
『…お待たせ』
「やぁ。まだ早いんだけど」
『だったらまだ来ないでくれるかな』
「僕を見つけて来てくれたんだ。やはりの部屋から見える位置で待ってて正解だったよ」
『確信犯かコイツ』
「待てなかったんだよ。少しでも長くと2人きりでいたいからね」
ドキリ。
あぁ、まただ。スノボに行った時の夜に赤司君に抱きしめられてから、たまにこうやってドキリとする。だけど…
『はいはい。それで、今日はどこに行くの?』
「…かわす事ばかり上手くなって。まぁそれも可愛いんだけど。、遊園地は好きかい?」
連れて来られた場所は、遊園地でした。