第10章 分かってる
「赤ちんでも嫉妬するんだね~」
「僕だって人間だ、嫉妬くらいするさ」
「赤司君は人一倍嫉妬しそうですよね」
「そう見えるかい?まぁ、そういう事だから涼太。明日はと2人で行ってきなよ」
「えっ!?いいんスか!?」
「問題ない。僕も個人的にを誘ってみるよ」
そしてその場で解散した。大輝はずっと付いてきたけど。
「どうした?大輝」
「…もし本当にお前がを幸せにしてやれるなら…アイツの事、頼んだぞ」
「…へぇ、大輝が僕にを?大輝にとってもは大事な友人じゃないのか?」
「そうだけどよ…ダチって言っても限界があるだろ。もちろん俺はから離れたりしねぇ。けど、俺が気付けない事もあるだろ」
「…本当に、大輝だけは不安で仕方ないよ」
「あ?」
「大輝は一番、の事を分かってるからね」
本当、大輝は気が抜けないよ。お互いを大事に思って、お互いを理解して…これで好きじゃないという事が僕にとって最大の幸福だ。
「はっ、どうだ赤司。羨ましいだろ」
「…ほんと、不安だよ」
大輝は昔のような顔で笑った。この笑顔を取り戻したのは紛れもなく、だ。
教室に行くとそのがいた。
『あれ、早かったね』
「ねぇ」
『…無視かい。で、何?』
「明後日、どこか遊びに行こうか」
『…は?』
「の事をもっと知りたいし、僕の事ももっと知ってほしいんだ。だから、デートしよう」
『っ!べ、別にいつでも…』
「今、知ってほしいんだよ。クスッ、どうしたの?珍しく取り乱してるね」
『だ、だってそれは…』
「あぁ、デートの事かい?涼太とも明日デートするじゃないか」
『りょ、涼太とはそうじゃないっていうか…って、赤司君知ってるでしょ!?』
「クスクスっ、すまない。の反応が可愛くてつい。それで明後日、どうかな」
は少し顔を赤らめて、小さく頷いた。