第10章 分かってる
赤司side
僕からの呼びかけに、キセキの全員が集まった。場所は大学内のカフェテリア。
「何の用なのだよ。俺はそんなに暇ではない」
「てかこうやって赤ちんに呼び出されるのって、ウィンターカップ以来だね~」
「あの時は赤司君が最後でしたけど、今日は1番のりですね」
「てかそんな話がしたかったわけじゃねーんだろ」
「そうっスよ赤司っち!無理矢理連れてきて…」
「すまないね。今日ここに集まってもらったのは他でもない、の事について話しておきたかったからだ」
の名前を口にすると、バラバラだった視線が瞬時に僕に集まる。
「…もう知ってると思うけど、僕はが好きだよ。昔あんな酷い事をしていても、それは過去の話だ。それはお前達が教えてくれた事でもあるからね」
「…それが何だっていうんスか」
「少し、協力をしてほしいんだ」
「協力、ですか?」
「あぁ。大したことじゃない、お前達がから手を引いてくれればいい」
「…ふざけた事を言うな」
「ふざけてなどいないよ、真太郎」
「それをふざけてるって言うんだよ赤ちんさぁ~」
「…どうしてだい?」
答えなんて聞かなくても分かってる。だが、ここではっきりさせておく必要があった。
「残念だがそれは出来ねぇ頼みだ。俺達だってが好きだからな」
「だがそれは、僕と同じ好きではないのだろう?」
キセキ達もが好きだ。だがそれは、恋愛でという意味じゃない。友人として、人間として。
涼太はもちろん、あの大輝も。
「…そうだよ。だがそんなもん関係ねぇ。お前のために俺らがから離れる理由がねぇ」
「そう。それを聞けて十分だよ。お前達も、異論はないね」
涼太、敦、真太郎、テツヤを見ると、彼らはゆっくりと頷いた。
「安心したよ。さっきの協力の話は無しだ。元から僕だけでどうにかするつもりだったからね」
「…やはり冗談ではないか」
「お前達の本音を聞くためだ。これで僕も変な嫉妬をする必要もなくなった」
もう、割り切ってキセキ達とを見る事ができる。