第10章 分かってる
スノボに行ってから約1週間が過ぎた。あれから赤司君はいつも一緒にいて、それに皆とも一緒にいる時間が増えた。大輝曰はく、赤司君と張り合っているんだとか。特に涼太。
「っちー!映画観賞券を2枚もらったッス!だから明日、一緒に行こう!」
『え、明日?急だね、また』
「だって昨日もらったんスもん!」
『ふーん。あ、コレ見たいって思ってたやつだ』
「でしょでしょ!?もちろん行くッスよね!!」
『うん、いいよ』
「僕も行こうかな」
赤司君はこうやって何かしらお誘いがあると自分も行くの一点張り。人数多いのは楽しいからいいんだけどさ、もうこれがほぼ毎日続くのはちょっと…
「話聞いてたんスか?赤司っち。チケットは2枚なんスよ」
「僕は自分でチケットを買えば問題ないだろう?」
「…もー!空気呼んでほしいッス!これは俺とっちのデートなんスよ、デート!」
へー、デートなんだコレ。あたしも初めて知ったよ。
「…涼太、ちょうどいい。話がある。今あいつらも暇だろう。連絡するのを手伝ってくれ」
「へっ!?ちょっと赤司っち!?」
「、次の講義には遅れないようにね」
『え、うん。ていうか赤司君こそ』
「ははっ、僕は大丈夫だよ。ほら行くよ、涼太」
「ちょ、っち!明日約束ッスよ!またライン送るッス!」
あたしはポカンと口を開けて2人を見送った。
『…ま、いっか』
最近じゃ夜も皆とお泊りをしあって、ろくに1人になれなかったし。
あたしは久しぶりの1人の時間を満喫したのだった。